ゆっくり熟成させた、至宝の滴

黒吟はひと言でいえば「吟」の「首吊り」「ビン貯」「三年もの」です。搾り時、酒袋から自然に滴り落ちる酒だけを集め、それを約三年間理想的な状態で寝かせています。その間絶えず熟度を確かめ、菊姫が「よし」と判断したときに初めて限定出荷されます。基となる「吟」自体、考ええる限りの手をかけた吟醸酒です。つまり、手を加えたり改良したりの余地のない酒です。さらにそれを別の次元の酒として、新たに生み出しました。「吟」とは一味違った、まろやかな老ね味、老ね香をごゆるりと味わってください。[・・・・・菊姫の記より引用]

かつて、この黒吟の搾りを蔵元でみさせて頂きました。ごく小さな桶の中に吊るされた木綿製の酒袋から、滴り落ちるしずくを口元に運ぶと、搾りあがったばかりの酒が、まるく、穏やかで、すーっと抜けるようなキレの良さに驚かされました。